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着物の「買取り」と「引き取り」のこと

こんにちは!

 

富山市いたち川のほとりで、中古着物屋・着付教室などを営んでおります。キモノヨロズ屋迦穏亭です。

ネット検索などで調べて電話しました…とお問い合わせいただくことが多いのですが、迦穏亭は「買取り」は行っておりません。
「引き取り」のみ行っております。

正直な話、着物を手放される際に「購入された金額」は全く査定の基準になりません。
何故なら、全てオーダーメイドで着る人の寸法に「お誂え」するからです。

仮に、お父さんが奮発して昔イタリア製の高価なスーツ生地で誂えたスーツがありました。大切にしていて、ほとんど着ておらず幸いに虫喰いもない。…こんなのが出てきた時、古着屋さんなどに買取りに出して高値が付くでしょうか…。
大半の方は持ち出す前に「お父さんのサイズに誂えてあるんだから値段は付かない」と判断がつくと思います。

着物もそれとおんなじ事です。
着物も洋服も「着る物」である以上、マイサイズに誂えるために裁断した時点で、その値打ちはその人のものでしか無くなるわけです。

「じゃぁ、帯はサイズがないからいいんじゃないの?」と思われる方…
帯は合わせる着物があって初めて存在価値が発生します。

それじゃぁ、なんで巷に「着物!高価買取り!」なんてCMが溢れているの?
そろそろ、そのカラクリも公然になってきたのでネタバラシしますが、着物単体で高値がつく事はほぼありません。着物をキッカケにそのお宅の貴金属・古美術・骨董品を買い取るのが目的です。

前置きが長くなってしまいましたが、着物の「買取り」を謳うと高値を期待させてしまいます。最初から、期待させるような言葉は禁物です。
迦穏亭では「棄てるくらいなら」と思われる物だけを「引き取り」させていただいております。お車代として些少のお礼をさせていただいています。

迦穏亭で販売やレンタルしている商品のほとんどはそのような形でここに集まって来ています。
「自分はもう着る事がないけど、誰かがこれを活かしてくれたら嬉しい」と仰ってお譲りいただいた物ばかりです。
こんな気持ちで次へ託された着物って嬉しいですよね!

だから迦穏亭では手の届く価格and大切にしてもらえる適正価格で販売ができます。

まだまだ先日から引き取らせて頂いた品物の整理とメンテナンスが終わらないのに、これだけは一度ちゃんと文字にしておかなくては!と思いまして…